「うるさい!!俺には関係ないことだし!!!!」

とある日のこと、ミネルバ艦内のアスランの個室からシンの大きな声が響き渡った。

偶然部屋の前を通っていた者は一瞬ビクリと肩を強張らせ、逃げるように小走りでその前を通っていく。

なにやら部屋の中で揉め事が起きているのは明白だった。

「もういいって言ってんだろーーーー!!!!」

そう叫びながらシンは部屋から飛び出してくる。

「おい!シン!!!」

バタバタとシンが走っていったすぐその後に、アスランが慌てたように部屋から身を乗り出した。

その途端、目の前をたまたま歩いていた者と目が合い、思わず一つ咳払いをすると何事もなかったかのように部屋に戻っていった。
























「くっそーー!!!あんの野郎〜〜〜!!!!」

俺は湧きあがる怒りをなんとか抑えながら急いで部屋にへと戻った。

バシュンっとゆうドアの音と共に軍服に手をかけ荒々しくそれを脱ぎ捨てる。

俺のイラだっている様子に、同室のレイはチラリと様子を伺っている。

「何かあったのか・・・?」

レイが小さくそう言うと、俺はぐるりと顔をレイの方向に向けた。

「今は何も聞かないでくれ!!」

くわっと物凄い勢いで俺がそう言うと、レイは少し驚きながら頷いた。

わかるとは思うけど、俺は今ウルトラハイパームカついている。

レイは関係ないのに、八つ当たりしちゃって悪いけど。

でも、それも全部アスランが悪いのだ。

いつものように、お忍びでアスランの部屋でまぁ・・いろいろやった後、アスランは溜息まじりにこう言った。









「キラと、直接会って話がしたい・・・・」

ゴロゴロとまだだるい体をベットに休めていた俺は、その言葉を聞いて思わず体を起こした。

「な、何!?」

「あいつの考えてる事がサッパリわからなくて・・・でも、悪い奴じゃないんだ」

その時、押し寄せる怒りが俺を包んだ。

「ダ、ダメにきまってんだろ!?そんなの!!!大体、俺はソイツが大嫌いだ!!!!!」

ハァハァと、少し息を荒げながら俺はそう叫んだ。

アスランは少し怒ったような表情になる。

またそれにも、腹が立つ自分がいた。

「キラと会った事もないお前が、嫌いだなんて軽く口にするな」

その言葉を聞いた瞬間、俺は思いっきりベットから立ち上がると、軍服を荒々しく着始める。

「そりゃあどうもスミマセンでしたね!ザラ隊長!!あなたのように、彼と会った事もないですし!?無礼な態度失礼致しました!
 今後一切こういった関係はもう終りにしますので、どうぞその人と何とでもなってください!あなたはそれを望んでいるようですからね!!」

そう俺は一気に捲くし立てると部屋をでようと、体をドアのほうへ向けた。

「ちょっ、シン!!!誰もそんな事言ってないだろう」

アスランがぎゅっと俺の腕を掴む。

「うるさい!!俺には関係ないことだし!!」

「お前、勘違いしてないか?俺はただ親友として・・・」

「もういいって言ってんだろーーーーー!!!!!!」

俺はそう叫ぶとアスランの腕を振り切って、部屋を飛び出した。

「おい!シン!!!!」

アスランの呼ぶ声も、聞き逃したまま。











そして、今俺は最悪な気分で自分のベットに横たわっている。

レイはそんな俺と一緒にいたくないのか、さっきどこかに行ってしまった。

だって、アスランの態度は絶対に悪かったと思う。

何が『会って話したい』だ!!結局いつもあの人の心には『キラ』がいて。

俺はその見えない誰かに、異常なほどライバル心を煮えたぎらせてて。

そりゃ、アスランはきっとその人に対して恋愛感情とかないんだってわかってはいるけど。

でもやっぱり、そう言い聞かせても、拭えない不安は残ってしまう。

だからちょっとした言葉で、カッと頭に血が上ってしまうんだ。

思い出すと腹が立って腹が立って・・・!アスランもムカツクけど。

何より俺は、『キラ』とゆう人にムカついてる俺が一番ムカつくんだよ!!!!

カッとなる衝動をベットの上でゴロゴロと転がるとゆう動作で俺は必死に抑えた。

「シン、入るぞ」

そんな時、ふと聞こえてきたアノ人の声。思わずドキリと胸が高鳴ってしまう。

バカ!何ときめいてるんだ、俺は!!

必死に一人ブンブンと頭を振る。

そんな事をしている間に、ドアの開く音が聞こえアスランが部屋に入ってきてしまった。

俺は思わずドアに背を向ける。

「何の用だよ!こんなところまで来るな!!」

背を向けたまま俺はツンとそう言い放つと、後ろから溜息が聞こえた。

「ご機嫌斜めのミネルバエースを、宥めに来たんだが」

どこかバカにされたような言葉に、俺は思わずアスランの方にへと体を向けて起き上がった。

「これ以上怒らせたいのかよ!!」

そう言ってアスランをみると、何故かそこには笑っている彼の姿が目に映った。

思わず俺は不審そうな顔をする。

「やっとこっちを向いてくれたな」

「なっ・・・!!!!バッカじゃないの!!!」

途端に恥ずかしくなって俺はシーツを頭まで被った。

カツカツと足音が迫ってくると、それに伴って鼓動が早くなる。

うわ・・・俺、このままじゃ流されそう!!

ギシッとベットが軋む音がして、俺以外の体重がのしかかった。

「悪かったよ。お前の気持ちも考えずに。俺が言いすぎた」

優しくそう囁かれて、俺の鼓動はそのままハイスピードで緩まる気配がない。

「あっ、謝る事ぐらい、誰にだってできるんだよ!」

「これじゃ不満か?じゃ・・これはどうかな?」

そう言ってアスランは俺の握っているシーツをいとも簡単に取り払った。

白い世界から一気にカラフルな世界にへと視界が変わって、目の前には至近距離のアスランの顔。

「!?!?!?」

その距離が一気に縮まったと思ったら、首に手をかけられそのまま唇を奪われた。

「ふっ・・・・」

突然のキスに戸惑う俺も、その腰の抜けそうな感覚に思わず吐息が漏れる。

「・・感じた?」

クスリとそう言われ、一気に俺の顔が熱くなる。

そんな俺を気に止めもせず、アスランの手がするりと胸にのびてくると手馴れた手つきで服を脱がし始める。

「ちょっ・・・やめろって!!」

思わず静止の声をかけて、アスランの手を握るけどそれは簡単に払われた。

「好きだよ、シン」

耳元で吐息まじりにそう囁かれると、ゾクゾクっと背筋がそり返る。

「お、俺はお前なんか嫌いだーーー!!」

快感に流されないように、俺は必死にそう言った。

すると、目の前のアスランはクスっと笑う。

「そうか、嫌いか」

そう言って、既に堅くなってしまった俺自身をぎゅっと優しく握って軽くしごいた。

「あっ・・・!んっ・・ゃ・・・」

思わず甲高い声を発してしまい、俺はただその快感に身を委ねるだけ。

「口では生意気な事を言ってるくせに、体は正直なんだな」

笑ってそう言われ、なんて事を言うんだ!コイツ!!って思ったけど、そう反論できる余裕がなく、ただ歯を食いしばる。

無意識に歪んだ顔が、アスランの欲情を掻き立てているとも知らずに―――

「可愛い」

そう言うとアスランは先走りで濡れた指先を、俺の蕾にそっと触れた。

思わずビクリと体が反応し、その先に待ち受ける入り混じった『期待』が無意識に体中を駆け抜ける。

あぁ・・俺、いつからこんな体になっちゃったんだろ。

後悔する気も起きない今は、ただ快感だけど受け入れる。

ぐっと一気にアスランの長い指が俺の中に入ってくる感覚が伝わると共に、大きく息を吐いた。

瞑りっぱなしの瞼を開けると、そこには驚くほどに色っぽいアスランの顔が目の前にあって思わず首に手を回す。

ぐちゅぐちゅと響きわたる厭らしい音が激しさを増すと、俺の声もリズムに合わせて大きくなる。

「んぁっ・・あぁ・・ふぅ・・あ!」

もう何も考えられなくて。

ただ今は目の前の彼を感じる愛しさだけが、俺の全て。

ねぇ、もっと

もっとあんたを感じさせてよ。

そうしたら、不安なんてなくなるから。

だから、もっともっと俺を求めて。

壊れるくらいに―――

「あぁぁぁっ・・・!!」

ぐっと大きなアスランのモノが後ろから一気に入ってくる快感に思わず俺は、一際大きく声を発した。

ヒクつく中で感じる彼は、アツくて溶けてしまいそう。

アスランは俺の腰を握ると、激しく腰を動かした。

「ふあぁっ・・あんっ・・あぁぁ!やっ・・・あっ」

俺のイイ所重点的に突き上げるその感覚は、狂ってしまいそうにヨくて。

俺はだらしなく口を開けたまま、ただ喘ぐ。

後ろから少し荒いアスランの声が聞こえて、それがまたすごく色っぽかった。

「あっ・・もっ・・・イっちゃ・・・あぁぁっ!」

「あぁ・・・俺も・・」

アスランの動きが更に激しくなると、俺は体を支える力もでなくなって、顔をベットに伏せた。

「あんっ・・あぁっ・・あぁぁぁぁ!!」

ドクっと体の中に生暖かいモノを感じながら、俺はバタリと力なくベットの上に倒れた。

乱れた息を必死に戻そうと、ただ荒く呼吸を繰り返す。

それはお互いにアスランも同じだった。

「シン・・・」

すりよってきたアスランが、後ろから俺を抱きしめた。

「・・・アスランはずるいよ」

「え?」

そう、アンタはずるい。

俺をこんなに振り回して、『嫌い』だとどんなに口にしたって余裕のある笑顔。

それは、俺が本気で言ってるわけじゃないってわかりきってるから。

それが妙に悔しくて、ムッとするのに。

こんな風にあんたが俺を抱くから、俺はもっとあんたが好きになる。

これって、なんかムカつかない?

「何の事だ?」

アスランが不思議そうにそう問い掛けた。

俺はにやりとイタズラに笑う。

「絶対教えない」

そう、これはアンタになんか教えてあげないよ。

そのかわり、もっと俺を好きになれ!



















end


アスシンの小説を気に入って下さった方がいらっしゃいまして、久々にこっちを更新しました。
何気にしっかりweb拍手はチェックしてるので、こういった感じに御礼ができたらいいな、と思います。
かなり前にコメントくださった方なんですけど;ご本人様も覚えているかわかりませんね。これじゃ。(笑)
シンってアスランを前にするとかなり不器用とゆうか、素直になれなそうだって感じがしました。
アスランはそんなシンをちゃんとわかってくれてる・・・みたいな!(妄想)
でも、この2人は常に喧嘩が絶えなそうですね。喧嘩を持ちかけるのは全部シンなんだろうな。(笑)

2005.06.22 Rinko