「今日はクリスマス・・・・・・か」

12月24日、あまりの忙しさに今日がクリスマスだということをすっかり忘れていた。

レイのほうもたぶん忘れていそうだと思う。俺よりもずっと忙しそうだったから。

だけど、やっぱり当日にはみんな思いだしてるみたいですこしソワソワした雰囲気がミネルバを包んでいる。

そんな時に俺はいきなり議長に呼ばれた。

なんだろ?議長は今日はみんな一日ゆっくりしていいって言ってたのに。

何かマズイ事でもしてしまったのかと内心ハラハラしながら議長の部屋にへと入っていった。

「シン、来たか」

一先ずここは敬礼。それから用件をきく。

「何か御用ですか?」

「うん、君には今日仕事があってね」

「仕事?」

なんで俺だけにっ!とかなり反感をもったが議長の前でそれは言えず、しかし抵抗の視線はむけたまま。

議長はなにやら笑っている。なんだかその笑顔がすごく・・・・・怖かった。

「君は今日一日私の隣にいなさい」

・・・・・・・・・・・。

一瞬沈黙がおきる。

「は!?」

少し遅れて俺は声を発した。何を言い出すかと思えば。

議長の言葉として到底ふさわしくないものだ。

「な、何を言ってるんですか・・・・?それは・・・その・・・俺の業務内ではないと・・・」

「議長命令だ。」

なんだそれは。ふつふつと心の中で反発の言葉はでるがそれを口にできないことがもどかしい。

だいたい、今日はレイと2人きりでクリスマスを過ごそうと思っていたのに。

プレゼントは用意できる時間がなかったぶん、レイに少し甘えてみようとか。

いつもの自分ならしないこと、今日ならできそうだなーなんて思ってた矢先にこれだ。

俺の甘い予定は儚く遠くに消えていく。

「まず、シン。ワインを飲まないか?」

「・・・・・は、はい」

何が楽しくてこの議長とワインを飲まなきゃいけないのか。

不満は山々だ。

「おっと、クリスマスならワインよりシャンパンだったな」

議長は笑いながらそう言うとどこかからシャンパンを持ってきた。

なんだかやけに楽しそうで、俺はうんざりだ。

議長はグラスにシャンパンをそそぐと乾杯を促す。

俺は渋々グラスをもつとコツンっと議長のグラスに端をぶつけた。

そしてそれを飲もうとしたとき・・・・・

「シン!!!!!!!!!」

いきなり大きな声でレイが叫びながら部屋に入ってきた。

思わずグラスを落としてしまう。

「うわ!レイ!?!?っと・・・・つめてっ」

レイが突然来たのとシャンパンが零れてしまった事で俺はいっぱいいっぱいになってしまう。

議長のほうをみてみると、また微笑んでいた。

「議長・・・・どういうおつもりですか?」

レイの目はひどく冷たくて、やっぱりものすごく怒っているみたいだ。

いつもはこういった事があっても冷静なレイだったが今日はどことなく様子が違う。

眉間にシワはよっているし、拳を強く握り締めている。

こんなに怒っているレイをみるのは初めてかもしれない。

でも、議長相手に本気でキレるのはレイにとってもよくないと思い俺はハラハラとレイの様子をうかがう。

「なんだ・・・・随分早かったな。レイ」

「仕事のほうはもう終わらせました」

そう言うとレイはどさっと資料を置いた。その量の多さに俺は驚く。

俺の身長の半分はあるかと思うくらいに多く、それを全部一日で集めたのかと思うとレイは人間離れしていると思った。

「まさか一日で全部終わらせるなんて思っていなかったよ」

「議長のお考え通りにいかなくて申し訳ないです」

レイは冷ややかにそう言うと俺の元に歩いてくる。

そして俺の手をひくとぎゅっと抱きしめる。少し苦しいくらいに。

「レイ・・・?」

「シンは連れて行きます。異論はありませんね?」

「しょうがないな。約束は守るよ」

約束・・・・?俺は疑問に思いながらもレイと共に部屋を出た。

レイは一つため息をつくとにっこりと俺にむかって微笑んだ。

優しい笑顔。

さっき怒っていた表情とは全く違う俺だけにみせるもの。

部屋に戻るとレイはドサっとベットに寝転んだ。

「レイ?大丈夫?なんいかすごい疲れてるみたいだけど・・・・」

「あぁ・・・ちょっと頑張りすぎた」

レイはそう言うとスーっと眠りにはいりそうな目をしている。

「ちょ!レイ!?ね、寝るのか〜〜〜?」

「いや・・・ちょっと休む・・・だけ・・・だ」

そう言いながらレイは寝入ってしまった。

「え・・・・・?」

本当に熟睡してしまったレイをみて俺はため息を一つだす。

今日はクリスマスってことで、やっぱちょっと期待してたところもあった。

ちょっとレイのために夜のほうも頑張ろうかとか、そんな事も考えてたというのに。

目の前の愛しの恋人はぐっすりと寝てしまっている。

だいたい、今日は朝から議長に連れ出され、何がなんだかわからない。

議長とレイが一絡みしてるのは目に見て取れるが。

何があったにしろ、少し・・・・いやかなり寂しい気持ちをおさえて、俺はレイに布団をかけシャワーを浴び自分のベットに入った。

・・・・・・クリスマスなのに。

そんな悔しさを残しながら俺も眠りに入ったのだった。



















翌朝。何やらもぞもぞとする感じに目が覚めた。

何か変な感じがする・・・・。そう思い目をあけると布団がやけに盛り上がっている。

「んっ・・・・!」

どこからかズンっと疼く感じがした・・・・。この感覚には身に覚えがある。

俺は勢いよく布団をめくった。

「レイ!?」

そこには俺のモノを咥えているレイの姿。

「な、何やってんだ・・・・・あっ!」

意識がはっきりするとハッキリとした快感が駆け巡ってしまい。

快楽に身を任せてしまう。

「俺としたことが寝てしまったからな。昨晩を取り戻す」

「ちょっ・・・や・・・しゃべらな・・ぃで」

裏筋を丹念に愛撫されてしまい思わず弓反りになる。

そんな俺の様子をみてレイは少し笑うと一気に俺を攻めだした。

「あっ・・・あぁ・・・も・・ダメ!レイ・・・でちゃっ!」

そう言った瞬間に俺はレイの口の中に出してしまった。

それを音を出して飲んでいるレイの姿をみて思わず赤面してしまう。

「お前・・・よくそんな事できるな」

「シンのならば何だって飲めるさ」

そんな台詞を聞いて呆れてしまう。が、ふと思い出した。

「昨日寝ちゃった奴がよく言うよ!」

「それは・・・すまないと思っている」

いきなり沈んでしまったレイに思わずうろたえる。

そんなつもりで言ったわけではない。

「べ、べつにいいけどさ。レイ疲れてたみたいだし」

「だからこうして償っているんだ」

償いがコレかよ・・・・・・。なんて思ったが昨日のレイの様子を思うと許さずを得なくなる。

むしろちょっと可愛いなんて思ってしまうあたり俺はバカなんだろう。

「あ・・・そう言えば議長との約束ってなんだったの?」

「あぁ・・・困ったものだ。あの議長も」

そう言ってレイは説明を始めた。












クリスマス前日・・・・

レイはシンとのクリスマスの過ごし方について考えながら歩いていた。

付き合って初めてのクリスマス。あのレイがロマンチックな演出をしたいなどと考えているなんて周りの者は想像もしないだろう。

そんな時に議長に呼ばれたのだ。

レイは日頃から議長の態度に気をよくしていない。

シンに対する微妙なボディタッチを見逃してはいなかった。そんな議長がすすんでレイを呼ぶなどあまりいいことではない。

レイは何を言われるのやら、とため息まじりだった。

「議長、お呼びでしょうか?」

「あぁ、レイ。君に頼みがあってね。これの資料を集めて貰えないか?」

そう言って差し出されたのは莫大の数の資料請求だった。

「2日後までに集めて欲しいんだが・・・・」

2日後・・・、この量ならば休まずやれば2日後にできないこともない。

が、必然的にシンと過ごせなくなってしまう。

「それで、シンをクリスマスに一人にさせるのは気の毒だから私がシンを預かっているよ。心置きなく仕事に励んでくれ」

「・・・・・私がこれを終わらせればいいとゆうわけですね?」

「明日までにこれが終われば、シンは君の元に戻すよ」

「その言葉、お忘れなく」

レイはそう言って部屋をでた。

毅然とした態度で過ごしていたが内心は煮え繰り返りそうな怒りでいっぱいだった。

議長とゆう立場を利用されるのは、やはり同等のやり方ではない。

「卑怯者が・・・・」

そうレイは呟くと、すごい勢いで仕事を進めたのだった。

そしてその怒りに任せ、一睡もせずに集中し、シンのもとに間に合ったという事だった。



















レイの話をきき、俺は呆れた顔をした。

「議長ってやっぱ変だな」

「今回ばかりはさすがに俺も腹が立ったな」

レイの言葉に何故か俺は笑ってしまった。

俺のことでそんなに一生懸命になってくれたのかと思うと、やっぱ嬉しい。

「またお前は変な所で笑って・・・」

「いや、だって・・・・ま。お疲れ様でした」

俺が笑いがならそう言うと、いきなりレイはさっきの続きを始めた。

指の挿入感に思わず変な声をだしてしまう。

「い、いきなり入れんな・・・!」

「俺がまだ満足してないからな」

「レ、レイ・・・優しく・・・・しろよ!?」

「考える余裕があればそうする」

「えぇ!ちょ・・・あぁ・・んっ!はぁ・・」







そして朝っぱらからヤりまくってしまい、その日は動けそうになかった一日になった。

ま、これだけ愛されてるってわかったから今日の日は許すとしよう。

俺の愛しの困った恋人。

俺だけに一生懸命になる姿はやっぱかっこいくて。大好きで。

こんなクリスマスも・・・ある意味幸せで最高なクリスマスなのかもしれない。













end








クリスマスイブに間に合わなかった・・・・。すごく急いで作ったんですが;25日になってしまいました;
微エロな感じなんでR15くらいですかね。
レイの嫉妬話が個人的にすごく好きなんでこんなんばっかで申し訳ないです;
シン一筋なレイがかなり好きです。そして議長は軽くセクハラ気味が萌えます・・・。笑。
アスランvsレイも好きですがギルバートvsレイもなかなか好きなんですよね。
そんなこんなでメリークリスマス!(話がバラバラになってしまった;)

2004 12.25 Rinko