別に俺は恋愛感情とかはなかったんだけど・・・・・・・・

どうやら俺の恋人は独占欲が強いらしい。






















所有物

























「アスラン・ザラ!?」

ルナマリアからあの護衛のアレックス・ディノとかいう男はあのアスラン・ザラだという情報を聞き俺は思わず大きな声を発した。

かの有名なアスランが今この船に乗っている。

だけど、今ソイツはあのオーブの護衛で俺としては憎悪の対象である。

そんなヤツ、信用できるわけがない。あんな・・・・あんなオーブのところにいる奴なんかに。

そう、思っていたはずなのに一緒に行動を共にしてみるとどこか憎めないところがある。

『あんたみたいな人がなんでオーブなんかに・・・っ』

そんな事を口走ってしまうほど、俺はアスランに対する印象は変わっていた。

だけどそれはもちろん恋愛感情などではなく、憧れとゆう言葉に近いのかもしれない。

しかし、どうやらレイは俺がアスランに対する態度が気に食わないらしい。

「シン、もうアスランとは話をするな」

「またソレかよ。べっつにどーもないし、気にかけることなんてないだろ!」

俺がそう言うとレイは鋭く俺を睨んだ。

思わず動いていた口を閉じてしまう。そんなレイの表情は威圧感他ならない。

「・・・・・ハイハイわかりました。話さなきゃいいんだろ?」

「それでいい」

レイはそう言うと俺の前から立ち去った。

付き合い始めて3ヶ月、とりあえず体の関係も済ませ済みだが、アスランが現れてからレイは毎日のように俺を求めるようになった。

まぁ、前も2日に1回という割合で、あんまり変わらない事もあるけれど、でも回数も多くなったし何より・・・・焦らしが多い。

焦らして焦らして、もう死にそうになって考えられない時に『シン、俺のこと・・・好きか?』そんな事を言うものだから。

『好き・・・!』とか言わざるを得ない。最近どうも”言わせたがり”になっている。

そして昨晩も激しくされてしまったため、またも腰への痛みに悩まされている。

「くっそ・・・・容赦ないんだから」

そう言いながら腰をさすり俺は部屋から出た。

「あ・・・・」

部屋から出た瞬間、アスランの姿が映った。

さきほどまでケンカをしていた原因だ。とりあえず、ここはレイとの約束を守ろうと思い軽く会釈をし通り過ぎる。

「なんだ。随分と冷たいんだな」

ふいに後ろから声が聞こえた。思わず振り向いてしまう。

「え・・・いや、急いでるだけですから」

「そうか、なんか腰押さえてるみたいだけど、痛めたのか?」

「あ!いえ、本当たいしたことないんで。じゃ」

俺は鋭いアスランの指摘にたじろぎつつ逃げるように去っていった。

・・・・・なんだかすごく疲れた気分だ。

まだ一日は始まったばかりだというのに、アスランに会うとどうも気を使ってしまい余分な体力を失う。

それもこれもレイのせいだと考えると、段々と腹が立ってくる。

そりゃあ、嫉妬される事はやっぱりうれしい事だけど、レイの場合は度がすぎるのだ。

もはや束縛、拘束・・・・とゆう言葉に近いのかもしれない。

しかも相手構わずに、とゆうところが一番やっかいだ。

この間の件もそうだ。議長からの誘いをなんとか断ろうとしている時に・・・・

『議長!シンはその日私との約束がありますので。それと彼は私の恋人でもあるので今後こういった事は止めていただきたい』

さすがに議長相手にその発言はマズイと隣にいた俺は思ったのだが、議長は変わった人物だった。

『そんな風に熱くなる君もおもしろいな。実に奪いがいがあるよ』

そんな事を少し笑って言いながら去っていったのだ。

この場合は議長が少し変わっていたからいいものの、もしこれが他のお偉いさんだったら。

タダではすまないかもしれない。そんな心配ばかりが頭によぎってしまうあたり、俺も相当イってる感じもするのだが。

そんな事をブツブツ考えながら俺はふと、ソファに寝ている人物に気がついた。

そこにいたのはアスラン・ザラ。何も被らずに寝息をたてている。

そんな姿をみて、近くにあった布団をもちだした。

「これぐらい、いいよな。べつに喋ってないし」

そんな事を言いつつ、布団をかけた。

その瞬間。

カっとアスランの目が開いた。驚いた俺だったがアスランはぎゅっと俺の腕を強く握った。

「キラ!?」

「え?ってぅわ!!」

そのままぐいっと手を引っ張られ、バランスを崩しアスランの胸に倒れた。

何が起きたか状況を理解するには少し時間がかかった。

『キラ!?』

確かにそう言ったアスランに疑問を感じる。誰かと間違えている事は確かなようだ。

その時、今一番会ってはいけない人物の荒々しい声が聞こえた。

「シン!!!!」

「レ、レイ・・・・・!?」

こうゆう時に限って何故かいつも現れる。

監視カメラとかで覗いているのではないかと疑うくらいだ。

レイは足早に俺のところに来ると、アスランの手から俺をほどいた。

そしてそのままぎゅっと抱きしめられる。

レイの臭いがした・・・・。

そんな幸福感に包まれている場合ではないと、すぐに我にかえる。

「あれほど言っただろうが!」

どうやらレイはひどくご立腹のようだ。これはマズイ。

「あ・・・ご、ごめん」

とりあえず、ここは誤る事が最優先だった。

「前々から申し上げていましたが、シンに手を出すのは止めていただきたい!」

・・・・前々から申し上げていた。っということは以前にもこんな風にアスランに対し文句を言いに言ったのだろうか。

そんな姿を想像すると、少し嬉しくて歯がゆい。

「半端な気持ちでシンに近づくと、例え貴方でも許しません」

「・・・・・・半端な訳じゃないんだけど」

アスランは重い口をあけた。

「シン自身をみていないと言うのに半端ではないと仰るのか?あなたはシンを通して別の人をみているではないですか!」

レイのその言葉にさっきのアスランが発した名前を思い出す。

あぁ・・・・・『キラ』のことか。

「別にそう言うわけでもないけど・・・・似てるだけだ」

「とにかく、これ以上シンに近づかないで下さい」

そう言うとレイは俺を抱きしめたまま部屋を出た。

なんだか気まずい。レイはかなり怒っているみたいだし、ここで軽はずみに何か話したら一喝されそうな雰囲気だ。

「全く、困った恋人だな」

レイはそう呟くと、俺を見下ろした。

そんな事を口走ってはいるが、その瞳はとても優しい。

心地いいレイの胸の中で俺は少し笑った。

「笑い事じゃないんだが・・・・」

「あ、うん!でも・・・なんか嬉しかったよ」

今回のレイの嫉妬はどこか嬉しくて、笑みが零れてしまう。

「あ、またお前は・・・・」

そうレイは言うと俺の襟をきっちりと締めた。

相変わらずな態度に、俺はわざと締められた襟をまた開く。

「シン・・・・」

呆れたようにレイはため息をつく。

するとレイはいきなり俺の首に顔を埋めた。

「え!?」

驚いた俺に、すぐにチリっとした軽い痛みが走る。

この痛みは・・・・・・

「レイ・・・お前まさか・・・・」

「これでは襟は締めなきゃみられてしまうな」

そう笑いながら言うレイ。たしかにそこには紅い薄血痕。所有の印である。

首元にあるソレは襟元を締めなければ完璧にみられてしまう位置にあり。

してやられた・・・!と後悔するも遅かった。

「別に今日は締めなくても俺は構わないけどな。ちょうどあの男も寄らなくなるだろうし」

アノ男・・・・とはアスランのことなのだろうが。

やはり俺にとってこれをみられるのは至極恥ずかしい事で襟元を締める事が優先された。

やっぱりレイのほうが一枚上手なんだよな・・・・。

そんな事を思いつつ、でも嫌いになれない自分も物好きだと思う。

困る事も多いけど、やっぱりそれは愛情の裏返しで結局は愛しい気持ちになってしまうのだからレイは扱いが上手い。

こんな恋人に先は思いやられるが、どこか期待心があるのは秘密にしておこう・・・・


















end
なにやら世間ではレイシン→アスキラな関係がブーム(?)のようです。
が・・・・此処に一人反ブームの人が。笑。私はシンはレイに惚れていて欲しいと願っております。
でも、アスランはシンに面影をのせてしまう・・・・。っといったとこでしょうか。
あくまでレイシンの上にアスキラみたいな。う〜ん、上手く説明できないんですが。つまり一方通行の恋愛事ってあまり好きじゃないかなって事です。
あ、あとレイは独占欲が強いのが萌えvシンのためなら嵐だろうがなんだろうが飛び込んでいくような彼が好きです・・・・。

200412.20 Rinko